[更新]行ってきました、幻の江戸城! VR作品『江戸城の天守』再演 – 東京国立博物館
江戸城天守の優美な姿を再現したことで話題となったVR作品『江戸城の天守』の再演が決定。
東京国立博物館 東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」(東京都台東区)にて、2018年10月3日から12月24日までの期間限定で上映されます。
今回、東京国立博物館が、過去作品のリクエスト上映の投票企画を実施(投票期間:2018年6月15日~7月22日)。その結果、『江戸城の天守』が全体の3割を超える最多の得票数を獲得し、当作品が再演の運びに。
『江戸城の天守』は、明暦の大火(1657年)で焼失した江戸城最後の天守の姿と、その天守がどのようにつくられたのかを考えるVR作品。徳川三代将軍家光が莫大な費用を投じてつくらせた、当時最高の技術が用いられたといわれる江戸城天守の優美な姿が、現在の最高の技術で再現されています。
本作の制作にあたっては、葵紋の金具に刻まれた葉脈や、鯱の鱗を留めるための鋲など、石垣や瓦、金具にいたるまで、江戸城を構成する100万超の部材をひとつひとつデジタル化したそう。
さらに、同時代に作られた江戸幕府関連の社寺や城郭など、現存する文化財から取材し、細部の意匠再現に反映させるなど精緻に再現したという、とてつもない労作です。
大きなスクリーンに実寸大で表示され、金具や鯱などを構成する部材の組み方まで詳細に観察できるとか。実物を見学するよりも細部までみられちゃうという、バーチャルリアリティの凄み。
そして、なんといっても見所は、“もし江戸城天守が現存したら” をデジタルで再現した3D映像です。
天守が明暦の大火で焼失せず、現代まで約360年建ち続けていた場合の経年変化を施したリアルな今の天守の姿を、現代の東京の3D地図上に合成。デジタル再現ならではの姿が鑑賞できるというから楽しみすぎっ!
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VR作品『江戸城の天守』上演について
場所:東京国立博物館東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
期間:2018年10月3日~12月24日
時間:
水・木・金 12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
土・日・祝・休日 11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00:00
※所要時間 約35 分、 各回定員 90 名
鑑賞料金:高校生以上:500円 中学生・小学生:300円
※このほかに、基本の入場料(総合文化展当日券:一般620 円/大学生410 円)が必要です。
※総合文化展当日券(一般620 円/大学生410 円)とセット購入で一般1000 円/大学生800 円
[更新]見てきました!VR作品『江戸城の天守』
※2018年10月26日追記
曇りの2018年10月某日。行ってきました! 東京国立博物館へ。向かって左から、表慶館、本館(日本ギャラリー)、東洋館(アジアギャラリー)です。
チケット売り場は、写真右端の正門の外にあります。初めての東京国立博物館で、チケットの購入でアタフタしてしまいました。
VR作品『江戸城の天守』の鑑賞料金500円ということで、500円ワンコインで観られると思いこんでいたのですが、VR作品の鑑賞料は別に東京国立博物館入館のための料金が必要でした。そりゃそうか!
料金表が、むむむずかしいよ!
総合文化展当日券(一般620 円、大学生410 円)とセット購入でちょっとお得なセット(一般1000 円、大学生800 円)を購入。
なんとか入館しました(笑)。そしていざいざ、お目当てのVR作品『江戸城の天守』が上映される、TNM & TOPPAN ミュージアムシアターへ。
上映タイムテーブルから、希望の時間の5分前までに、正門入って右の建物「東洋館」地下1階のシアター入口へ向かいます。回によっては満席で入れない場合もあるようなので、注意が必要です。チケット売り場で、込み具合を親切に教えてくれました。
作品上映は、あらかじめ収録されたナレーションではなく、ナビゲーターのおねえさんが素敵な声で生解説してくれるスタイル。石垣の岩の大きさを、スクリーン前に立つナビゲーター自身の身長と比べたりして、臨場感たっぷりで楽しいです。
ナビゲーターは皆さまと一緒に文化財の世界を旅する案内役です。
ナビゲーターがVR映像を操作しながら進行するスタイルは、
お客さまとのコミュニケーションを通じて文化財への理解を
より深めていただくためのシアターならではのもの。
絵画や工芸品、建築など、テーマごとにナビゲーターとの
一期一会の時間をお楽しみください。
(ミュージアムシアターについて | TNM & TOPPAN ミュージアムシアターより)
このVR作品によって紐解かれたところによると、江戸城天守は、さまざまな防火対策を施して備えたようなのですが、それでも火事で焼けてなくなってしまったのですねえ……。
作品の締めくくりには、「天守が現在まで残っていれば東京はこんな風景だったでしょう」ということで、高層ビルが立ち並ぶ東京のど真ん中に、経年変化を施した江戸城天守を再現した空撮風VR映像が登場。江戸城天守を擁する東京は、たいへん趣のある美しい都市でした。
VR作品『江戸城の天守』上映は、2018年12月24日まで。東京国立博物館もみどころ満載でしたので、ぜひこの機会に訪れてみては!
東京国立博物館のココいいね!
VR作品『江戸城の天守』目当てに訪れた東京国立博物館でしたが、博物館自体も、見ごたえ十分でした。ぜひ、たっぷり時間をとって、のんびりまわってみてほしいので、その魅力をちょびっとご紹介します!
東京国立博物館は、“明治5年(1872年)、湯島聖堂の大成殿で開催された博覧会から始まる、日本で最も長い歴史をもつ博物館(パンフレット「東京国立博物館 案内と地図」より)”。
こちらは、本館の内部です。1938年(昭和13年)開館、2001年(平成13年)に重要文化財に指定された建物です。渡辺仁(わたなべじん)設計のコンクリート建築に瓦屋根をのせた「帝冠様式」代表的建築だそう。
本館では、古代の石器や縄文土器から近代まで日本美術の流れや、彫刻、刀剣、陶磁などジャンル別に、質・量とも日本一といわれるコレクション(2018年3月末現在)約11万7,000件のなかから常時約3,000件がみられます。展示も美しいです。一階には、おしゃれなミュージアムショップも。
本館前には、大きなユリノキ(北米原産の蜜源樹)。春には、チューリップによく似た花が咲くんだとか。
1875、6年(明治8、9年)ごろ渡来した30粒の種子から育った一本の苗木が1881年(明治14年)に現在地に植えられたといわれているもので、たっぷりとした見事な大樹です。
平成館の奥、黒門の先にある法隆寺宝物館です。水を張ったエントランスと、谷口吉生(たにぐちよしお)設計の近代的な建築が、とても美しいです。1階に、居心地よさそうなレストランがあります。
1878年(明治11年)、奈良・法隆寺から皇室に献納された宝物約300件を収蔵していて、展示は、なんというかとてもモード。アートでした。
黒門そばにはカリンの樹があって、実がなっていました。
各館の展示はもちろん、緑豊かで居心地のよい空間です。ぜひ、お出かけください。
トップ画像:江戸城天守閣・天守台跡(写真:はなたれ君)
※写真は、イメージです。
<参考>
東京国立博物館と凸版印刷、投票第1位は幻の江戸城|凸版印刷株式会社のプレスリリース
江戸城天守台(皇居東御苑) | 東京とりっぷ
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