日本の団地をアップデート!「MUJI×UR」こんどは、団地まるごとリノベーション

無印良品がリノベーションしたUR賃貸住宅の団地の住戸。人気の的で「空きを見つけたら迷っている暇はない、即刻決定するべし」という先輩入居者の声もあるほど。

この人気のリノベ団地は、2012年にスタートした「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」によるもので、2020年度末には首都圏から九州までの全国で累計52団地1000戸に達するとか。

2021年度からは住戸だけでなく外観や商店街区などの団地の共用部分にもリノベーションの対象を広げるとのことで、“MUJI団地”ができちゃうってわけ? とワクワクが止まらない新展開について、2021年3月15日に行われた新プロジェクト「MUJI×UR『今度は団地まるごとリノベーション』」発表会からご紹介します。

MUJI×UR「今度は団地まるごとリノベーション」

そもそもURとは

URとは、独立行政法人都市再生機構(愛称、UR都市機構)のこと。1955年に設立された日本住宅公団を母体にいくつかの公団との統廃合を経て、2004年から現在のかたちで国の政策実施機関として日本のまちづくりを担ってきました。

UR賃貸住宅といえば、敷金なし・礼金なし・更新料なし・保証人なしの好条件で借りることができ、都心では、便利な立地条件に立っている大型の集合住宅やタワーマンションなども結構URの物件だったりします。

日本の高度成長期の子育て世代を支える住宅として数多くの大型団地が誕生しましたが、現在では老朽化や住人の高齢化が進み多くの課題を抱えているといわれます。そんな団地の課題を解決するべく、URでは様々な他業種とのコラボレーションを展開しており、この「MUJI×UR」(ムジ・バイ・ユーアール)は、その筆頭といえるであろうプロジェクトです。

MUJI HOUSEがリノベーション

MUJI×URは、無印良品の住空間事業部門である株式会社MUJI HOUSEと、UR都市機構の連携協定によって実現したもの。3月15日の発表会では、両社代表による「MUJI×URに関する連携協定」締結式も行われ、協業を拡大する新プロジェクトが正式にスタートしました。

MUJI×UR 連携協定締結式
MUJIBASE(東京都板橋区)で行われた協定締結式
右から、株式会社MUJI HOUSE 松崎暁代表取締役社長、独立行政法人都市再生機構 中島正弘理事長

UR中島理事長が「URの命運をかけた」とまで言うMUJIとの協業。新プロジェクトによって拡大する協業内容は以下のとおり。

団地まるごとリノベーションで、団地を拠点とした地域の生活圏を活性化

  • 住戸リノベーション 
    バリエーションを増やす
  • 共用部リノベーション
    外観、集会所、商店街区などにもMUJI×URのデザイン性を取り入れる
  • 地域コミュニティの形成
    リノベーションを通じて地域住人とコミュニティ形成に取り組む
  • 情報発信
    SNS時代にふさわしい双方向コミュニケーション

MUJI HOUSEの松崎社長によると、超高齢化が進む日本において、無印良品では化粧品や食器などが10代にも人気を集め、利用者層は若返っているのだとか。若い世代にも届くブランド力・発信力も期待されて始まったMUJI×URは、2012年から始まった住戸リノベーションの契約者が40代以下のいわゆる“若年層”で75%と実績十分。この勢いで、住戸だけでなく、外観や商店街区などの団地の共用部も含めてまるごとリノベーションしちゃおうというのが今回の新プロジェクトです。

そして、大きなチャレンジとして、リノベーションを通してそこに住む人々のコミュニティ形成にも取り組むというのが肝となる部分。「感じ良い社会」の実現を目指すという大きなコンセプトを掲げるMUJIが、UR団地という最高の舞台を得て、どんなコミュニティを生み出していくのか、そしてその先には何が待っているのか。

印象的だったのは、発表会の中で何度も繰り返された「押し付けではなく、我々もそこに参加させていただく」という考え方。地域の人々と一緒にコミュニティをつくっていこうという覚悟を感じました。

MUJI×UR住戸や商店街区は、こんな感じ!

新プロジェクトの発表会が行われたのは、UR光が丘パークタウンゆりの木通り33番街(東京都板橋区)。実際にリノベーションされた住戸や商店街区のある団地です。

MUJI×UR住戸

MUJI×URのリノベーションのコンセプトは、“あるものを生かす”。飴色に経年変化したビンテージ感あふれる柱や梁はそのままに、知恵と工夫と技術でリノベーションしています。古い=悪いではなく、うまく活用することで新しい価値が生まれる。そんな精神が随所に息づいた、新しいのになんだかほっとするような居心地の良い空間です。

MUJI×UR リノベ住戸
もとは奥のスペースが水回りだったのを手間に移動したキッチン。奥のスペースはパントリーとしても活用できそうなタイル張りの部屋になっていました。

入った瞬間の感想は「白!」。まぶしいほどに白かった。

いわゆるLDKに続き奥へ進むとそこは、もともと和室だった居住スペース。無印良品オリジナルの傷みにくい「麻畳」(文字通り麻でできた畳)の部屋にして、和室の遮音性はそのままに洋室としても使いやすい部屋にアップデート。URは、遮音性の基準が厳しいそうで頼もしい限り。

MUJI×UR リノベ住戸 和室
もとは一間だったのを、敷居を新設して二間に仕切れるようにしたもの。
敷居の新設は、なかなかに大工さん泣かせだったそう。

間仕切りに採用されているのは、MUJI×UR共同開発の「段ボールふすま」。一見、段ボールまんまで「斬新!」と思ったのですが、一般的なふすまも表具をはずせばこのような構造だそうで、良い意味で必要十分というさっぱりしたもの。部屋の他の敷居にも使えるので、間取りを自在に変更できるとのこと。

このほか、鴨居の上の壁は取っ払って、開放感と採光・通風を確保。ハンガーを書けるなど部屋干しにも便利に使えそうです。また、壁際には、収納や突っ張り棒を用いた家具の固定にも活躍する吊るしの小天井を設置するなど、随所に工夫がありました。

共用部の商店街区

団地共用部である商店街区は、MUJI×URの軒下改修により、木目調のルーバー(羽板)で配管などを効果的に隠しつつ、おしゃれな雰囲気にリノベーションされています。夜になれば、あたたかい洗練された照明が灯ります。

シンボルツリーがお出迎え。定休日の店があり、シャッターが下がっているが空き店舗ということではない。

ここの商店街区には、MUJIcomが出店しています。MUJIcomとは、「身近なものをより身近な場所でさっと買える」無印良品の小規模店。店内には、共用スペースがあり、現在はコロナ禍でクローズしていますが、通常は近隣の方が持ち込みでランチを食べたり、ママ友がおしゃべりしたりと活用されていたそう。なんと、レンタル用のミシンも二台あって、幼稚園や小学校用のアイテムづくりなどで活用されるとか(現在は提供中止)。

無印良品の社員寮「MUJIBASE」

団地内のかつてグループリビング(高齢者向け共同住宅)だったエリアは、無印良品の社員寮にリノベーションされて、主に海外から研修にくるスタッフの一時滞在に活用されています。キッチンのある共用部分は、団地住人にも開放しMUJI主催のイベントなども開催していたとか。現在は、いずれもコロナ禍で中止となっているそうです。

MUSIBASEの居室。各部屋でレイアウトやインテリアが異なる。家具はもちろん無印良品!

もともと子育てに適した住まいとして開発された団地ですから、自然豊かな立地に、商店街区も備えた広々とした敷地と住環境は好条件のはず。古くなった住戸を、おしゃれなMUJI仕様にアップデートすることで、現代を生きる私たちにも魅力的な住まいにリボーンしたMUJI×UR。単純にMUJI仕様の団地がおしゃれすぎるので、ぜひ一度チェックしてみて!

「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」サイト
UR都市機構 https://www.ur-net.go.jp/chintai/muji/
無印良品の家 https://www.muji.net/ie/mujiur/

<参照>
MUJI×UR「今度は団地まるごとリノベーション」発表会のお知らせ|株式会社 MUJI HOUSEのプレスリリース




japonism 編集長
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。初めての寄席にいって楽しかったので、また行きたい今日このごろ。

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