築地本願寺|名建築で、念仏道場とお粥の朝ごはん
築地本願寺は、東京・築地にある仏教のお寺。2017年に創建400年を迎えた、由緒ある寺院です。築地市場からすぐ、そして銀座も近いので、東京観光で銀座・築地エリアに宿をとるなら、ぜひ築地本願寺から、旅のいちにちをスタートしてみてほしい。早起きしてのお散歩にも、おすすめです。
築地本願寺とは?
築地本願寺は、浄土真宗本願寺派の直轄寺院です。築地市場のほど近くにどんと構えるその佇まいは、一見すると外国の施設と勘違いしてしまいそうな風情ですが、それもそのはず。1934年に落成した現本堂は、古代インド仏教様式の外観なのだとか。
設計は、東京帝国大学工学部教授、伊東忠太博士。仏教の発祥の地であるインドの石窟寺院などに着想を得たというから、粋ですね。
中央区総括文化財調査指導員 増山一成さんの解説|中央区役所
念仏道場「朝のおつとめ」
朝の築地本願寺をおすすめする理由のひとつが、こちら。東京のローカルを感じたいなら、ぜひ体験してほしい「朝のおつとめ」です。
毎朝7時から、本堂でおこなわれていて、誰でも見学・参加することができます。途中の出入りも自由です。とはいえ、はじまりの銅鑼(どら)がすごくいいので、できればぜひ最初から着席を。銅鑼が打ち鳴らされるなか、お坊さんたちが入場し、おつとめがはじまります。おつとめでは、お坊さんが唱える念仏にあわせて、参加しているひとたちも一緒になって念仏を唱えます。もちろん聞いているだけでも大丈夫。念仏がおわると、お坊さんのありがたいお話しがあって、それでおしまいです。念仏の最後には、讃美歌のような歌も歌います。知らないとちょっと驚きます。
念仏の大合唱の間も、通勤途中のひとが、お賽銭を投げて行ったり、拝みにきたりと、地元で愛される大切な場であることを感じることができます。
※築地本願寺公式サイトで、「晨朝勤行」としてスケジュールが掲載されています(2018年6月現在)。
カフェで「18品目の朝ごはん」
朝の築地本願寺をおすすめするもうひとつの理由が、こちら。朝のハイライト! 境内のカフェで食べる朝ごはんです。
築地本願寺では、2017年に創建400年を迎え、“開かれたお寺”プロジェクトの一環として、門信徒以外も気軽に立ち寄ってもらいたいと「インフォメーションセンター」をオープン。このインフォメーションセンター内のカフェ「築地本願寺カフェ Tsumugi」での朝ごはんです。
お目当ては「18品目の朝ごはん」(税別1,800円)。お粥、お味噌汁、そして16種類のおかず、あわせて18品目がセットになった朝の特別メニューです。
なぜ18品目なのかといえば、阿弥陀如来の四十八願の根本の願「第18願(本願)」にかけているからだそう。(引用元:MONEY PLUS)
阿弥陀如来とは、浄土真宗のご本尊。そんなありがたい「18品目の朝ごはん」は、かわいらしい豆皿に盛りつけられた16種類のおかずたちを、どれから食べようかなんて迷いながらいただくのがまた楽しい。かぶせ茶もついてきます。このかぶせ茶が、またおいしいのです。お粥と、お茶のお湯はおかわりできます。
朝ごはんメニューは、8時から11時(ラストオーダー10時30分)のみ。混雑時には行列もできるそうなので、朝いちばんに行ってほしい。そして、ぜひとも伊東忠太博士の名建築、築地本願寺の本堂を臨む窓際の席に、陣取って。
「朝のおつとめ」からの、「18品目の朝ごはん」。朝7時からと、すこし早いけれど、きっと早起きしてよかったと思ってもらえるはず。東京のローカルを感じていただければうれしいです。
築地本願寺のもっとみどころ
築地本願寺 本堂の扉には、たいそう素敵なステンドグラス。極楽浄土への入り口感がすごいです。
浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の像(正門から入って右手奥)。思いのほか、厳しいまなざしで、特に後ろ暗いことはないはずだけどちょっと目をそらしちゃいました…。
写真:JULIE
[夜の部]築地本願寺の盆踊り大会
築地本願寺では、“日本一おいしい盆踊り” と銘打った盆踊り大会を、8月上旬に開催します。2017年には、7万人の来場者数を数えたとか。
なぜ “日本一おいしい” かというと、築地銘店会の出店で、築地の味を楽しめるから。新鮮なイカの姿焼きに、卵焼き、牛もつ煮込み、焼き鳥…もちろん屋台の定番、焼きそばやたこ焼きも。
境内の大きな櫓を囲んで、いなせな太鼓にあわせて炭坑節や東京音頭を踊ってよし、眺めてよし、櫓のまわりに設置されたテーブルに腰かけて築地の味に舌鼓を打ってよし。思い思いに築地の夏祭りをぜひ楽しんでほしい。おすすめです!
(※2018年8月3日更新)
2018年は、下記の日程で開催。出店は、日本料理紫水/つきじ 京富/築地ボン・マルシェ/大江戸助六太鼓/すし鮮/紀文食品/近江屋/和田久/味の浜藤/松露/広洋/菅商店/鳥藤/きつねや/築地本願寺カフェTsumugiなど。
日にち:2018年8月1日~8月4日
時間:19:00~21:00(※4日は18:00~20:30)
3日は仮装大会を実施
築地本願寺の歴史
築地本願寺の発祥は、西本願寺(京都)の別院として1617年に浅草・横山町に建立された、通称「江戸浅草御堂」。1657年の明暦の大火と、1923年の関東大震災にともなう火事で、二度も焼失したとのこと。明暦の大火後に今の立地に移ったそうですが、なんと、当時はまだ海の上。佃島の門徒たちが中心になって海を埋め立てたというからすごい話です。伊東忠太博士は、こんな歴史をふまえて、燃えにくい石造りを選択されたのかもしれません。
2014年には、本堂、門柱(正門、北門、南門)、石塀が、国の重要文化財に指定されています。
築地本願寺の紹介(築地本願寺の歴史・建物)|築地本願寺
築地本願寺
東京都中央区築地3-15-1
http://tsukijihongwanji.jp/
※境内には、誰でも利用できる宿泊施設もあるようです。(税別5,000円~)
http://tsukijihongwanji.jp/kaikan/stay.html
※当記事の情報は、すべて2018年6月現在のものです。
<参考>
今月の行事 | 築地本願寺
創建400年の築地本願寺「開かれたお寺」を目指し新施設誕生|築地本願寺のプレスリリース
朝食が超充実、「築地本願寺」がスゴいことになっていた ― MONEY PLUS
LEAVE A REPLY