「#22 八王子城」行ってきました! – 日本100名城スタンプラリー

日本100名城スタンプラリーに目覚めてから早5ヵ月……2019年2月半ばの晴天の日に、ようやく第二回城攻めに行ってまいりました!

第二回城攻めの舞台は、日本100名城 No.22、関東屈指の山城「八王子城」(東京都八王子市)。初の“山城”体験でしたが、山登り(トレッキング)の装備でお出かけして大正解! 初心者にとっては、想像以上に“山”でした。平城とはまた違った魅力満載の山城「八王子城」を、満喫しました!

八王子城とは

小田原に本拠をおいた小田原北条氏の三代目 氏康(うじやす)の三男、北条氏照(?~1590)が築いた山城。1582年(天正10年)ごろに築城が開始されたが、豊臣秀吉の関東制圧の一環で、1590年(天正18年)6月、前田利家・上杉景勝軍に攻められて、未完のまま落城したとされています。

この八王子城落城が決め手となり、本拠の小田原城は開城、氏照はこのとき小田原城に籠城中で、兄の氏政とともに城下で切腹し、北条家は滅亡したのだとか。

1951年6月9日「八王子城跡(はちおうじじょうあと)」として、国の史跡に指定。

城の構成

大まかに、以下の地区に分けられています。

  • 城下町にあたる「根小屋地区」
  • 城主氏照の館などがあった「居館地区」
  • 戦闘時に要塞となる「要害地区」

八王子神社と地名の由来

牛頭天王と、その眷属神(主神に付き従う神々)である八人の王子を祀る信仰とともに、全国に点在する八王子神社。この城山の八王子権現は、916年(延喜16年)に華厳菩薩妙行が祀り、北条氏照が城の守護神としたもので、城の名称や八王子の地名の由来になったとされているそう。

八王子城へのアクセス

八王子城へ向かうには、まずは「八王子城跡ガイダンス施設」を目指します。

「八王子城跡ガイダンス施設」とは、指定面積159ヘクタールにも及ぶ広大な山城である国指定史跡「八王子城跡」の全容や歴史をわかりやすく解説するために、2012年(平成24年)に設置され施設です。

「八王子城跡ガイダンス施設」への行き方は、以下の通り。土日祝日のみ、「八王子城跡」行きバス、「八王子城跡」バス停が利用可能です。

JR高尾駅北口1番バスのりばより、西東京バス「高尾の森わくわくビレッジ」「宝生寺団地」「恩方ターミナル」「大久保」「陣馬高原下」「グリーンタウン高尾」「美山町」行きで、バス停「霊園前・八王子城跡入口」下車、徒歩約15分。

八王子城跡ガイダンス施設(歴史・文化財)|八王子市公式ホームページ

八王子城のスタンプ台の場所

日本100名城スタンプラリーの「八王子城」スタンプ台には、二ヵ所に設置されています。

スタンプ台の場所その1:八王子城跡ガイダンス施設

八王子城跡ガイダンス施設

「八王子」の「八」をイメージした八角形のギザギザ屋根が目印。このあたりが、八王子城の城下町「根小屋地区」にあたるエリアだそう。

内部は、展示解説スペースのほか、休憩・レクチャースペースがあり、無料で利用できます。城攻め前の準備をこちらで済ましておくのがおすすめです。城攻め後の休憩にも、大活躍でした。

<概要>
開館時間:午前9時から午後5時まで
休館日:年末年始(12月29日から1月3日。他に、臨時休館する場合があり)
入館料:無料
所在地:東京都八王子市元八王子町3-2664-2

今回は、こちらのガイダンス施設で、記念すべき二個目のスタンプゲット♪

スタンプ台の場所その2:管理棟

ガイダンス施設から山側へもうすこし坂道を歩いていくと、「管理棟」があります。ここにもスタンプ台があります。

ちなみに、管理棟の向かいの広場には、「八王子城跡」の全容がわかる立体模型が設置されています。

<概要>
開館時間:午前8時30分から午後5時まで
休館日:年末年始(12/29~1/3)及びガイダンス施設の臨時休館日は利用できません)
所在地:東京都八王子市元八王子町3-2715-2

ツアーガイドさんをお願いしよう!

管理棟には、ボランティアのガイドさんが詰めていて、無料でお願いすることができます。この日は、特に予約もせず直接「管理棟」に行ってその場でお願いしました。即、応じてくださり、レッツゴーです。

団体の場合は、あらかじめ予約をしておくことがおすすめのようです。

ガイドメンバーは、曜日ごとに3~4名前後のメンバーで担当し、年末と正月三箇日(市役所の休日に同じ)とガイドの定例会と集合研修日以外、年中無休とのこと。

<ガイド概要>
ガイド時間:9時~16時(受付は15時まで)
ガイド料:無料
ツアー時間:30分~1時間半
※悪天候などにより活動を休止する場合あり

城攻めルート「御主殿跡コース」か「本丸コース」か

さて、いよいよ城攻めです。ルートは、大きくふたとおり。

  • 城主氏照の館などがあった居館地区「御主殿跡」を目指すコース(マップの下方のコース)
  • 戦闘時に要塞となる要害地区「本丸跡」を目指すコース(マップの上方のコース)
ガイダンス施設内のマップ

管理棟から本丸跡(山頂)までは、直登で比高差200メートル。一般的には、管理棟から本丸跡まで約40分の道のりです。 数年前まで高尾山から陣馬山まで縦走したりと、いっぱしのハイカー気取りだった私ですが、今回の本丸跡付近では、かなり息が上がり、もう無理…なんて弱音が頭をよぎるほど。

ガイドさんによると、ボランティアガイドの基本は御主殿跡までのコース。ガイドさん、あなたがヒールのある靴を履いていないか、歩きはしっかりとしているかなどチェックをされているそう。そして、ガイドさんがこの方は本丸コースは無理と判断したときは、依頼があってもお断りされるとか。

まずは、「御主殿跡」へ

それでは、出発です。管理棟でお願いしたガイドさんに導かれ、まずは、 城主氏照の館などがあったとされる居館地区「御主殿跡」へ向かいます。

ほどなくしてたどり着いたのは、大手門跡。大手門とは、城の表門にあたる門で、ここから続く「古道」は戦国時代に御主殿へ入る道として使われていたのだとか。

大手門跡

大手門を後にすこし歩くと、その先に見えてくるのが「曳橋」です。曳橋とは、御主殿へ入るための通路として城山川にかけた橋で、当時はここに簡単な橋をかけ、いざとなったら壊して敵の侵入を防ぐためのものだそう。現在の橋は、復元された立派な橋です。

曳橋
健脚ガイドさん♡

この曳橋の手前に、いわゆる“心霊スポット”として知られる「御主殿の滝」があります。八王子城の落城時、御主殿にいた北条方のひとびとが滝の上流で自刃し、身を投げたという曰くつきの滝です。丁寧に供養されておりました。

橋のむこうに見えているのが、御主殿跡のある曲輪に入る虎口(出入口)に至る石垣です。こんな山の中まで、石を持ってくるなんて大変だなあと思いましたが、石自体はこの山の奥で切り出したものなのだということ。現在の石垣や石畳は、できるだけ当時のものを使用し、忠実に復元されています。

当時の門をイメージして建てられた冠木門(御主殿入り口の門)

冠木門をくぐれば、そこはもう御主殿跡です。氏照の館などがあったとされ、発掘調査で発見された建物の礎石や水路跡、器のかけらなどの遺物をもとに復元的整備が行われています。

日本100名城「八王子城」

自分たちだけで見たのでは、ただの野原でしかない御主殿跡ですが、ガイドさんの解説のおかげで、当時の様子を楽しく思い描くことができました。

御主殿跡を思う存分見学したあと、ガイドさんが石切り場まで連れて行ってくださったのですが、それがもうとっても健脚コースで! ガイドさんはスイスイ~てなもんなんですが、こちらはついて行くのに必死(笑) でも、汗かいて登って、苔むした石切り場をこの目にしたら、当時のひとたちの苦労や、やりがいなんかも自分のことのように感じられて、頑張ったかいがありました。

いざいざ、「本丸跡」へ

石切り場からは、ガイドさんに導かれるまま、細い山道を抜けて本丸跡へ至るルートへワープ! ガイドさんなくしてはできなかったショートカットで、かなり時間の節約になりました。

そして、頼もしかったガイドさんは、ここまでとなりました。

ここからは、ひたすら山道を登って本丸跡(山頂)を目指します。たぶん、管理棟から直登していたらもっと体力的な余裕はあったはずだけど、石切り場からのワープですっかり足をうしなったjaponismご一行。ゼエゼエいいながら、山頂を目指しました。

でも、道中では、景色を愛でながら持参の行動食(おやつ)を食べたり、お茶を飲んだりと、久しぶりの山歩きを楽しみました。とはいえ、つらいはつらい。つら楽しい…。

つら楽しい山道

そうこうしているうちに、八王子神社を抜け、たどり着きました本丸跡。

おもったより狭いです。平地があまり広くないので、天守閣などの大きな建物はなかったと考えられているようです。現在は、小さな祠が建っています。

狭っ!

本丸跡では、とくにのんびりと腰掛けるようなベンチなどはないので、ひととおり眺めて気が済んだところで、管理棟へ向けて下山開始です。

もくもくと下ること約40分、管理棟の裏にたどり着きました。

すっかりへとへとになった足を、ガイダンス施設の休憩スペースで休めつつ、持参のお弁当で、遅めのランチタイムとなりました。よく歩いた後のお弁当のおいしかったこと!

快晴の空の下、咲き始めの山桜や蝋梅、足元にヘビイチゴの実を見つけたりと自然に触れながら、先人の築いた城の跡をたどってきた八王子城ツアー。自分の足で登って、そのものが城である山のなかへ分け入っていく。山城の醍醐味は、そんなところにあるようです。

ガイドさんたちが山道の補修もこまめに行ってくださっているということで、そんなところも楽しくまわれたポイントなのかもしれません。八王子城、ぜひまた訪れたい名城でした。

<施設概要>
八王子城跡
所在地:東京都八王子市元八王子町・下恩方町・西寺方町
問い合わせ先:八王子市教育委員会文化財課 TEL) 042-620-7265

※当記事の情報は、2019年2月12日現在の情報です。

<参考>
現地配布パンフレット・資料
八王子城跡オフィシャルガイドトップページ
八王子城跡ガイダンス施設(歴史・文化財)|八王子市公式ホームページ
国指定文化財等データベース




japonism 編集人
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。

LEAVE A REPLY

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

COMMENT ON FACEBOOK