日本初の鉄道路線図に、鹿鳴館の晩餐会メニューなど! 明治150年記念、国立公文書館特別展

国立公文書館(東京都千代田区)にて、2018年9月22日から11月4日まで開催中の明治150年記念特別展『躍動する明治-近代日本の幕開け-』。

開催前日の内覧会にお邪魔させていただきました。 あれこれ楽しかった展示のほんの一部を、ご紹介します!

※明治150年記念特別展『躍動する明治-近代日本の幕開け-』概要は、コチラでどうぞ ↓
「大日本帝国憲法」公布原本など、明治日本を紐解く特別展 – 国立公文書館 | japonism 

お初の「国立公文書館」へ

国立公文書館国立公文書館へ行くのは初めてのこと。公文書館は竹橋からすぐ。北の丸公園入口の手前にあります。当日は、あいにくの雨模様でしたが、たいして濡れもせず到着しました。

北の丸公園入口

北の丸公園入口。ここまで来ちゃったら行き過ぎです。この手前の建物が公文書館です。

江戸城跡 北桔橋門

公文書館前から陸橋で大通りを渡った向こう側は、江戸城跡の北桔橋門(きたはねばしもん)。皇居東御苑への入り口のひとつですが、この日は閉園日で、かたく門が閉ざされておりました。

江戸城跡 石垣

北桔橋門に向かって左、平川濠の石垣が美しい!

入口にはフォトスポット

国立公文書館

公文書館の正面、左手の大看板は今回の特別展メインビジュアルです。jugemt さんによるイラストが、和洋折衷といった印象で明治初期の雰囲気を演出しています。

その右隣には、明治の躍動感をビジュアルで表現したフォトスポットが。よく見ると、「躍動」という文字に翼が生えて、いまにも羽ばたいて飛んでいきそう。これ、撮影するときのカメラのフラッシュ有無で、色が変わるんです。どうなってるの? とっても不思議!

国立公文書館 平成30年秋の特別展 明治150年記念「躍動する明治-近代日本の幕開け-」

フラッシュなし

国立公文書館 平成30年秋の特別展 明治150年記念「躍動する明治-近代日本の幕開け-」

フラッシュあり

「円」紙幣にラテン系の恵比寿様!

さて、いよいよ中へ入ります。展示は、三部構成で、第1部は「明治維新と新たな国づくり」。そして、第2部「立憲政治への道のり」、第3部「近代文化の形成」と続きます。

第1部で目を引いたのは、新たな通貨「円」の導入に向けて、大蔵省から太政官へ提出された五円札発行の伺書に添付された紙幣見本。

明治の改革 新たな通貨「円」紙幣見本

イタリア人のお雇い外国人、エドアルド・キヨソネがデザインしたということなのですが、そう思って眺めると口ひげをはやした恵比寿様のイラストが、もう陽気なラテン系のおとっつあんにしか見えない(笑)。

西郷隆盛の辞職

こちらは、西郷隆盛の下野に関わる資料。西郷どんが、新政府での役職を辞職し、鹿児島への帰郷を願い出た際の記録です。

歴史上の出来事として、遠くのこととらえていた西郷下野ですが、こうして当時の事務的な書類を目の当たりにすると、政府の中枢にいた偉いひとたちから、こうした書類をしたためたひとりの事務官にいたるまで、たくさんのひとたちを巻き込んで150年ほど前に起こった事件として生々しく迫ってきます。

それにしても、どの公的な資料も丁寧な達筆ですごいんです。そして、すべて手書きなのかと思うと気が遠くなります。すっかりパソコン・スマホ頼みで、文字の手書きなんてほとんどしなくなった今日この頃。こんなにたくさん書こうとしたって、もう腕力と気力がもたなそう…。

「大日本帝国原本」公布原本

第2部は「立憲政治への道のり」ということで、自由民権運動の展開から憲法の制定、国会の開設、諸外国と結んだ不平等条約の改定にまつわる資料が並びます。

そして、ここが今展示会のハイライト! 大日本帝国憲法の公布原本です。

大日本帝国憲法の公布原本

明治天皇と総理以下の大臣たちの直筆サイン入り! ちなみに、天皇の署名捺印は、御名御璽(ぎょめいぎょじ)というのだそうです。御璽は、明治につくられた金の印で、現在も使用されているとか。

原本はショーケースの中だけど、コピーで全ページ手にとって見られるようになってました。

大日本帝国憲法

さらに、これとは別に、憲法草案の原本の展示もありまして、それには朱液で壮絶な赤字(修正)がはいっており、これまた当時の生々しいやりとりというか、憲法制定までの生身の人の試行錯誤、人と人とのリアルな応酬が感じられる資料でありました。

鹿鳴館の晩餐会メニュー

明治政府は、開国の過程で諸外国と結ぶこととなった不平等条約の改定を重要な外交課題とし、多面的な取り組みを行ったという。

日西修好通商航海条約不平等条約をほぼ踏襲した内容という「日西修好通商航海条約」の調印書。
調印者たちの花押が素敵。

官設社交場「鹿鳴館」に代表される欧化政策もその一環だったそう。

こちらは、その鹿鳴館で明治17年の天皇誕生日に催された晩餐会の献立表。

鹿鳴館の晩餐会の献立表

前菜からデザートまで全14皿。例えば…生牡蠣 レモン添え、ウィンザー風ポタージュ、セロリのピュレ添え 鶉のロースト、ロースト七面鳥肉のサラダ、プラム・プディング、アイスクリーム(コーヒー味)。なんてゴージャス! おいしそう!

日本初の鉄道路線図

第3部「近代文化の形成」では、新橋~横浜(現在の桜木町)間を53分で結んだ日本初の鉄道の路線図「新橋横浜間鉄道之図」原本が、9/22~10/5限定で公開中です。

新橋横浜間鉄道之図

このほか、新聞・雑誌のはじまりや、明治の文学、美術など華々しい文明開化の資料が並び、最後は「迎賓館」所蔵の洒落た小椅子がお見送りしてくれました。

会場では、展示図録(税込800円)も販売されています。とてもわかりやすくまとまった図録でした。

平成30年秋の特別展 明治150年記念「躍動する明治-近代日本の幕開け-」図録

ということで、日本近代史のメジャーなイベントに関する貴重な資料が目白押しの本展。150年前の出来事を、公文書といういわゆる事務所類を通して、こんなに生き生きと感じることができるなんて、ちょっと不思議な体験になりました。

<概要>
平成30年秋の特別展 明治150年記念「躍動する明治-近代日本の幕開け-」
開催期間:2018年9月22日(土)~11月4日(日)
開催地:国立公文書館
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2
最寄駅:東京メトロ東西線竹橋駅下車[1b出口] 徒歩5分
閲覧料:無料




japonism 編集人
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。

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