京都、明治時代のプライベート歴史空間めぐり – 岩倉具視幽棲旧宅など

京都、明治時代のプライベート歴史空間めぐり – 岩倉具視幽棲旧宅など

明治維新から150年。今回は、数ある京都の名所旧跡のなかから、ぜひ訪ねてみたい明治時代のプライベート空間「無鄰菴」「旧三井家下鴨別邸」「岩倉具視幽棲旧宅」をご紹介!

無鄰菴(むりんあん)

無鄰菴とは、明治・大正時代の政治家、山縣有朋(やまがたありとも)の別荘です。

1894(明治27)~1896(明治29)年に造営され、庭園と母屋、洋館、茶室の3つの建物によって構成されています。

康子さん(@yasuko751)がシェアした投稿

なかでも庭園は、明治・大正・昭和を代表する作庭家といわれる七代目小川治兵衛により作庭された名園。

1951(昭和26)年には、以下の理由で庭の重要文化財にあたる名勝庭園に指定されています。

「水は常に浅く豊かに波打って美しく流れ、二、三箇所に落水を作っている。水辺の芝生は広い水面と共に明るい近代的庭景を与えるのに役立っている。樹林を越えて東山の諸峯は借景となる。明治時代における優秀な庭園である。」(昭和二十六年六月九日文化財保護委員会告示第十九号より抜粋)
(引用:無鄰菴とは | 東山・南禅寺界隈の傑作日本庭園 名勝無鄰菴 

旧三井家下鴨別邸

旧三井家下鴨別邸は、江戸期に呉服を商う豪商として名をはせ、一大財閥にまで拡大した三井家の旧邸。

主屋、玄関棟、茶室の三棟からなり、明治期から大正期の歴史建造物として2011(平成23)年に国の重要文化財に指定されています。

gaoさん(@ga_tds)がシェアした投稿


 旧三井家下鴨別邸は、三井家11家の共有の別邸として三井北家(総領家)第10代の三井八郎右衞門高棟(たかみね)によって建築されたとか。

“11家”とか“総領家”とか、財閥家らしい規模感がすごいです。しかも、三井家の祖霊社を遷座させ、その参拝の際の休憩所とするために建築されたのが現在の旧邸というからその権力たるや。

戦後、1949年(昭和24)に国に譲渡され、一時は京都家庭裁判所の所長宿舎として使用されていたこともあるそう。

岩倉具視幽棲旧宅

岩倉具視幽棲旧宅は、明治維新の王政復古に力を注いだ幕末、明治期の政治家岩倉具視(いわくらともみ)ゆかりの旧宅。

岩倉具視といえば、2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』で、笑福亭鶴瓶さんが演じて話題となりました。

下級の公家でありながら、孝明天皇の信頼を得て朝廷を動かし、西郷、大久保らと協力して幕府を倒し、明治新政府を設立させる。逆境の中から、和宮降嫁(かずのみやこうか)や王政復古などを実現させた類いまれな策謀家であり、時流を見極める冷徹な目と、ユーモアと大胆な行動力を持ち合わせた傑物公家。岩倉の存在なしには、明治維新は実現できていない。
(引用:岩倉具視|登場人物|NHK大河ドラマ『西郷どん』 – NHKオンライン

この旧宅は、そんな岩倉具視が和宮降嫁に関連して、朝廷から追放され蟄居していた1862年から1867年のうち、1864年から1867年の3年間居住していた屋敷です。

岩倉が蟄居を解かれた1867年は、明治改元まであと一年というとき。洛中帰住を許され政復古に尽力するんですね。この年に大政奉還、翌年は明治元年です。

aekaさん(@aekashin)がシェアした投稿


坂本竜馬、中岡慎太郎、大久保利通などが訪問したというから、明治維新の極秘プロジェクト会議室とでもいったところ!

時代はくだって2013(平成25)年、この史跡を長年守り続けてきた(財)岩倉旧蹟保存会から京都市が寄付を受け、保存されることになりました。

周遊ルートと期間限定特典

2018年8月31日までの期間限定で、これら明治時代の建築「無鄰菴」「旧三井家下鴨別邸」「岩倉具視幽棲旧宅」のお得な3施設共通チケット(1,000円)を販売中。チケットは各施設の購入窓口で購入可能です。

主催者おススメの周遊ルートは以下の通り。

①無鄰菴
↓(徒歩約 7 分)
地下鉄「蹴上」駅(太秦天神川行)

地下鉄「三条京阪」駅下車

京阪電車「三条」駅乗り換え(出町柳行)

京阪電車「出町柳」駅下車
↓(徒歩約 5 分)
②旧三井家下鴨別邸
↓(徒歩約 5 分)
叡山電車「出町柳」駅(鞍馬行 / 二軒茶屋行)

叡山電車「岩倉」駅下車
↓(徒歩約 20 分)
③岩倉具視幽棲旧宅
(引用:http://kanko.city.kyoto.lg.jp/resource/newevent/event/2018/3sisetsu_summer.pdf

<期間限定! お得な3施設共通チケット>

開催日:2018年7月20日~8月31日
料金:1,000円

開館時間:全施設、最終入場は閉場の30分前
・無鄰菴 – 7:30-18:00 ※無休
・旧三井家下鴨別邸 – 9:00-17:00 ※水曜休館
・岩倉具視幽棲旧宅 – 9:00-17:00 ※水曜休館

住所:

・無鄰菴 – 京都市左京区南禅寺草川町 31 番地
・旧三井家下鴨別邸 – 京都市左京区下鴨宮河町 58 番地 2
・岩倉具視幽棲旧宅 – 京都市左京区岩倉上蔵町 100

主催:

無鄰菴・岩倉具視幽棲旧宅 指定管理者 植彌加藤造園株式会社
旧三井家下鴨別邸 指定管理者 京都市文化財公開施設運営管理事業受託コンソーシアム

※各施設1回ずつ入場可能

※開催期間中有効(日を分けての訪問可能)

※1868年9月、年号が慶応から明治に改元。
※トップ画像:無鄰菴(写真:jpmanual

<参考>
夏の京巡り!明治の時代を駆け抜ける 京都でお得な3施設見学チケット登場|豊彩株式会社のプレスリリース
東山・南禅寺界隈の傑作日本庭園 名勝無鄰菴 – カフェも営業中
旧三井家下鴨別邸 | 京都市観光協会
利用案内 | 岩倉具視幽棲旧宅
岩倉具視|登場人物|NHK大河ドラマ『西郷どん』 – NHKオンライン
NHK大河ドラマ『西郷どん』で笑福亭鶴瓶の演技が話題に 幕末の偉人・岩倉具視役|ニフティニュース




japonism 編集人
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。

LEAVE A REPLY

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

COMMENT ON FACEBOOK