島根県の葛飾北斎展、永田コレクション全貌公開へ! 東京では最後の展示

島根県の葛飾北斎展、永田コレクション全貌公開へ! 東京では最後の展示

島根県立美術館にて、2019年2月8日から3月25日まで、開館20周年記念展「北斎―永田コレクションの全貌公開〈序章〉」が開催され、世界屈指の北斎コレクション「永田コレクション」のなかから、初摺の逸品や希少な肉筆画など、代表作がお披露目されます。

永田コレクションとは、島根県出身の葛飾北斎研究の第一人者・永田生慈氏(1951-2018)が蒐集した北斎に関する、総数2,000件を超えるコレクションで、北斎の各期の代表作、保存状態が良い初摺の逸品、そして世界で一点または数点しかない貴重な作品も数多く含まれているのだとか。

2017年度、島根県に寄贈され、島根県立美術館で今後およそ10年をかけて調査し、数回の展覧会を通してその全貌を公開する予定という。

本展は、まさしくその“序章”として、永田コレクション中の主要な作品がお披露目されるものです。会期中には、様々な関連イベントが開催されるので、ぜひあわせてチェックを。

  • 永田生慈氏が語った「北斎」-永田コレクション受贈報告を併せて(聴講無料)
  • 記念講演会「永田コレクションについて」(聴講無料)
  • 美術館キネマ『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』(鑑賞無料)
  • ロビーコンサート~歌が絵になる、絵が歌になる「オペラ北斎」より~(鑑賞無料)
  • ギャラリートーク~担当学芸員による作品解説(要企画展観覧料)

<展覧会概要>
「北斎―永田コレクションの全貌公開〈序章〉」
会期:前期 2月8日(金)~3月4日(月)、後期 3月6日(水)~3月25日(月)
会場:島根県立美術館(島根県松江市袖師町1-5)
休館日:火曜日
観覧料:一般 1,000(800)円、大学生 600(450)円
※このほか、企画展とのセット料金もあり。詳細は、公式サイト

東京で最後の永田コレクション展示「新・北斎展」

東京・六本木ヒルズの「森アーツセンターギャラリー」(東京都港区)にて、2019年3月24日まで開催中の「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」。北斎の約70年にわたる絵師人生が、作風の変遷と主に用いた画号によって6期に分けて紹介されています。

  1. 勝川派の絵師として活動した春朗期(20~35歳頃)
  2. 肉筆画や狂歌絵本の挿絵など新たな分野に意欲的に取り組んだ宗理期(36~46歳頃)
  3. 読本の挿絵に傾注した葛飾北斎期(46~50歳頃)
  4. 多彩な絵手本を手掛けた戴斗期(51~60歳頃)
  5. 錦絵の揃物を多く制作した為一期(61~74歳頃)
  6. 自由な発想と表現による肉筆画に専念した画狂老人卍期(75~90歳頃)

島根県立美術館館蔵の北斎作品約350点を含め、国内外から集められた約480件もの銘品・貴重品によって北斎の全貌を知ることができるこの展覧会は、永田氏が監修。永田氏が半世紀にわたる北斎研究の集大成とすべく準備が進められたが、2018年2月6日に永田氏は逝去されています。

永田コレクションは、氏の遺志により、本展に出品されたのちは島根県のみで公開されることなっているということで、本展は永田コレクションを東京でみられる最後の機会に。ぜひこの機会に足を運んでみては。

行ってきました! 「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」

公式サイトでうたわれているとおり、“北斎の画業を通覧”する圧巻の展示! 生涯で30以上の画号をもちいて、どんどんアップデートしていった北斎先生の絵師人生の凄みに、圧倒されました。

音声ガイド(別途、550円)は、講談師・神田松之丞さんの語りが最高! スペシャルトラックとして神田さんによる「講談 四谷怪談ダイジェスト」も楽しめます。ぜひ、音声ガイドとともに北斎の偉業を味わってほしい。

ちなみに、2020年春から日本国のパスポート査証欄に、北斎の「富嶽三十六景」がプリントされるとか。にくい演出ですね!

<展覧会概要>
「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」
会期: 2019年1月17日(木)~3月24日(日) ※会期中、展示替え有
時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の 30 分前まで)
休館日:1月29日(火)、2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)
住所:東京都港区六本木 6-10-1
当日券:一般1,600円/高・大生1,300円/小・中学生600円(すべて税込み)

<参考>
島根県立美術館 開館20周年記念展「北斎―永田コレクションの全貌公開〈序章〉」 開催について|島根県のプレスリリース
島根県立美術館|開館20周年記念展 北斎ー永田コレクションの全貌公開<序章>
【公式】新・北斎展
新デザイン旅券20年春から 査証欄に「富嶽三十六景」 – サッと見ニュース – 産経フォト




japonism 編集人
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。

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