浜離宮恩賜庭園が楽しい! 殿さま気分で散策、生菓子と抹茶を楽しむ

東京観光や休日のお散歩に、とってもおすすめの庭園「浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)」(東京都中央区)。新橋や汐留からほど近く、水上バスでもアクセスできる代表的な大名庭園です。

殿さま気分で散策できて、日常の気分転換にもぴったり。ぜひ訪れてみてほしい癒しのスポット「浜離宮恩賜庭園」をご紹介します。

浜離宮恩賜庭園とは

都立文化財9庭園※のひとつで、もともとは徳川将軍家の庭園だった、江戸時代の代表的な大名庭園。

東京湾の海水を引き入れた潮入の池が、潮の干満によって趣を変える様式で、都内にある江戸の庭園では唯一現存する海水の池なのだとか。

寛永年間(1624~1644年)までは一面の芦原で将軍家の鷹狩場だった土地に、四代将軍家綱の弟・松平綱重が、海を埋め立てて別邸を建造。その後、綱重の子供の綱豊(家宣)が六代将軍になったのを契機に将軍家の別邸に。

明治維新後は皇室の離宮「浜離宮」となり、戦後(1945年11月3日)東京都に下賜され、翌年4月から「浜離宮恩賜庭園」としてついに有料公開へ。

終戦の翌年(1946年)には庭園として公開されていたということで、整備されたとはいえ、
焼野原の東京で、 どれほどの樹木が残っていたものでしょう。

1952年には、「旧浜離宮庭園」として国の特別名勝ならびに特別史跡に指定されています。「旧浜離宮庭園」とは、「旧芝離宮恩賜庭園」(東京都港区)と紛らわしいんですが、 文化財指定名称なんだそう。

「大手門」口の大手門橋手間にある道標

※浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、六義園、旧岩崎邸庭園、向島百花園、清澄庭園、旧古河庭園、殿ヶ谷戸庭園

浜離宮恩賜庭園へのアクセス

浜離宮恩賜庭園へのアクセスは、3つのルートがあります。

<大手門口>
都営地下鉄大江戸線「築地市場」(E18)「汐留」(E19)・ゆりかもめ「汐留」下車 徒歩7分
JR・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線「新橋」(G08・A10)下車 徒歩12分

<中の御門口>
都営地下鉄大江戸線「汐留」下車10出口 徒歩5分
JR「浜松町」下車 徒歩15分

<浜離宮(水上バス発着場)>
東京水辺ライン(墨田区役所前・浅草寺二天門前・お台場海浜公園)「浜離宮」水上バス発着場下船
東京都観光汽船(浅草)「浜離宮」水上バス発着場下船
※「浜離宮」水上バス発着場をご利用の場合は、入園料が別途かかりますのでご了承ください。

アクセス・駐車場|浜離宮恩賜庭園|公園へ行こう!

駐車場は、車椅子・障害者用、観光バス用のスペースあり。一般車両は、最寄の公共駐車場を利用(高速道路の下、海岸通の地下に汐留駐車場あり) 。

浜離宮恩賜庭園のみどころ

三百年の松

大手門口そば。約300年前、1709年に六大将軍・家宣が、庭園を大改修した際に植えられたとされている黒松。都内最大級。

上の写真、右から左までで、一本の松です。ほんとうに見事な黒松です。

太い幹が、遠方へせり出して、たくさんの支柱に支えられてその枝を思う存分ひろげています。関東大震災や戦禍を超えて、いまここにあるかと思うと感動的。代々の徳川将軍も眺めたかと思うと、わくわくしちゃいます。

黒松の並木

お城といえば、黒松というイメージがあります。皇居の黒松も見事ですよね。水上バス発着所のそば、海に面したエリアに見事な黒松が並んでいます。立派な黒松を眺めていると、タイムトリップしてお殿さまになったような気分が味わえます(個人のイメージです)。

黒松の向こうに見えているのは、かの築地の一夜橋。一夜にして橋が架かって都民を驚かせたのが記憶に新しいですが、それももう2014年5月のことだったのですね。光陰矢の如し…。

2020年東京五輪で主要道路となる環状2号線が隅田川をまたぐ、この新しい橋。橋を架ける様子が、たいへん壮観ですので、ぜひご覧ください。

途中、浜離宮恩賜庭園の緑もみえます。

殿様気分を盛り上げる 将軍お上がり場

黒松群のすぐそばにある、将軍が船に乗降する場所。1949年のキティ台風で階段の一部が崩れて海中に沈んでしまったそう。

遺構としては、特に何ということもないのですが、ここで将軍が船を乗り降りしていたのかと思うと、いやがうえにも殿さま気分が盛り上がるというものです。

横堀(潮入の池)

海水を引き入れ、潮の干満によって池の趣が変わる潮入の池。池の向こうに、東京タワーが見えています。園内からは、東京タワーのほか、お台場のフジテレビ本社ビルやレインボーブリッジも望めます。

池に海水を引切れる水門。向こうに、レインボーブリッジ。

4つの御茶屋

歴代の将軍が、賓客とともに景色を楽しみながら食事をしたり、鷹狩りの際の休憩などに使用された御茶屋。多くは焼失してしまったが、メインとなる潮入の池(大泉水)のほとりに次々と再建・復元され、往時をしのばせる景色がよみがえっているとか。

写真は、手前が「鷹の御茶屋」(2018年に復元)、奥が「燕の御茶屋」(2015年に復元)。
鷹の御茶屋には、鷹狩りのための鷹の休憩所も備えています(鷹の御茶屋の内部観覧スケジュールは開園時間とは異なるので、訪れる際は公式情報を確認のこと)。

立派な藤棚があり、藤の季節が楽しみです。

大泉水から望む 「燕の御茶屋」。

大泉水と「中島の御茶屋」(生菓子と抹茶で休憩)

広大な潮入の池、大泉水。その真ん中に…

大泉水を縦断する総檜造りの「お伝い橋」の中ほど、大泉水の真ん中に「中島の御茶屋」があります。写真は2月の訪問時。冬支度の雪吊りが雅でした。

ここでのお楽しみが、大泉水を眺めながらの一休み。抹茶とお菓子のセットが楽しめます。写真は、上生菓子抹茶セット(720円)。このほかに、蒸し菓子抹茶セット(510円)もあります。

お茶をいただきながら、大泉水の真ん中で広々とした景色を眺めていると、またまたタイムスリップして江戸時代の殿さまになった気分です。

ちなみにここが、東京メトロのPR「Find my Tokyo.」スペシャルムービーで、石原さとみさんがお茶を楽しんでいた御茶屋です。テラス席もあり。


東京メトロ【スペシャルムービー】Find my Tokyo.「Challenge132_東銀座駅/池の真ん中でお茶をいただこう!」篇 (2017/06/29 に公開)

2月の浜離宮恩賜庭園

2019年2月中旬。「お花畑」エリアでは、菜の花が見ごろを迎えつつありました。梅の樹は、すこしほころびはじめ。紅色が枝にちらちらと。


高層ビルとのコントラストが、都会の庭園ならでは景観。

冬の庭に紅一点。足元の赤い絨毯も美しい。まるでスポットライトみたいです。

なお、当庭園は文化財であり、定期的な保存修理工事が行われています。2019年2月に訪問した際も、保全工事中で、森の烏が、世紀末か、デストピアかという勢いで鳴き阿鼻叫喚の態。 これも、都会の庭園の宿命でしょうか。

※季節に応じたみどころは、公式ツイッターでお知らせされてますのでご参考ください(2019年2月現在)。

2018年に御茶屋の復元が完成し、往時の景色がよみがえった浜離宮恩賜庭園。東京湾と高層ビルを借景に、歴史ある美しい庭園は見どころ満載。季節の花々や、歴史ロマンを楽しみに、ぜひ訪れてみては。

<施設概要>
浜離宮恩賜庭園
・所在地:東京都中央区浜離宮庭園
・開園時間:午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)
・休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
・入園料:一般300円、65歳以上150円
※小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
※団体割引、無料公開日等あり
※訪れる際は、公式サイトで最新の情報をご確認ください

※当記事は、2019年2月現在の情報です。

<参照>
浜離宮恩賜庭園|公園へ行こう!




japonism 編集人
大手ISP、東京・銀座の着物小売り店など勤務の後、独立。美容誌Webサイトディレクターをはじめ、CGM、企業オウンドメディア等、各種Webメディアの企画・編集に従事。着物好きが高じて着物の着付師修行も、手先不器用のため断念。それでも、大好きな日本の文化・いいモノ・コト・ヒトを伝えたいと、日本のいいね!が見つかるメディア『japonism』を、2018年6月たちあげ。日本のアップデートに、微力ながら貢献できればうれしい。

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