[更新]プロダクトデザイナー深澤直人×益子焼窯元の新しい器「BOTE & SUTTO」誕生
日本が誇るプロダクトデザイナー 深澤直人さんディレクションの益子焼ブランド「BOTE & SUTTO(ボテ アンド スット)」が誕生。
2019年1月25日(金)~2月11日(月)の期間、イデーショップ 六本木店で発売されます。
“和や洋といった文化を超え、マルチに使える新たな器”という「BOTE & SUTTO 」の器たちは、ボテっとしたものとスッとしたもの計36種類をラインナップ。
栃木県の益子町では、2011年の震災以降の来県者数減少に歯止めをかけるべく、2016年、復活プロジェクトを立ち上げ。デザイナーの深澤直人さんを「まちづくりアドバイザー」に迎え、深澤さんと町の益子焼の3つの窯元が参加して誕生したのが「ボテ&スット」なのだとか。
益子焼とは、どういうものを益子焼というのか
ということから問い直して生まれた 「BOTE & SUTTO 」は、ぼてっと丸みを帯びた形と、すっとラインの通った形の2タイプを展開。
その器たちは、
- 益子で使われている主な7色の釉薬のうち、もっとも一番益子の定番と感じる黒と並白の2色を用いること
- 益子の土を使うこと
- 型を使わないこと
- 器の幅
といったガイドラインを設定し、すべて手で作られたものだという。
【BOTE】カラー:黒、並白
プレート(5サイズ)1,000円~
ボウル(3サイズ)1,200円~
飯椀 2,500円
ポット 9,000円
フリーカップ 2,300円
カップ&ソーサー 4,000円
マグカップ 3,000円
ピッチャー(2サイズ)2,300円~
植木鉢(2サイズ)8,000円~
※すべて税抜き
【SUTTO】カラー:黒、並白
プレート(5サイズ)1,000円~
ボウル(3サイズ)1,200円~
飯椀 2,500円
ポット 9,000円
フリーカップ 2,300円
カップ&ソーサー 4,000円
マグカップ 3,000円
ピッチャー(2サイズ)2,300円~
植木鉢(2サイズ)8,000円~
土鍋(2サイズ)12,000円~
※すべて税抜き
スタイリッシュで、そして、あたたかみを感じる器たち。発売初日(2019年1月25日)には、発売を記念してトークイベントを開催。深澤さんのお話が伺える、またとないチャンス! ぜひ、足を運んでみては。
深澤直人プロフィール
卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、国際的な企業のデザインを多数手がける。電子精密機器から家具、インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。英国王室芸術協会の称号を授与されるなど受賞歴多数。2018年、「イサム・ノグチ賞」を受賞。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。
益子焼窯元プロフィール
濱田窯 代表 濱田友緒
1930年濱田庄司が益子町道祖土に開窯し、1978年に庄司没後は次男の晋作が二代目として引き継ぎ、現在は三代目の友緒に至る。庄司が唱えた「健やかな美」を元に、庄司、晋作、友緒がそれぞれデザインを重ね工房の職人が制作する窯ものを、益子の伝統の蹴りロクロ、釉薬、登り窯にて手作りで焼いている。
清窯 代表 大塚一弘
1969年父である故大塚清章が生まれ育った益子町道祖土に窯を築く。1989年に「清窯」二代目として、一弘が清章の跡を継ぎ現在に至る。伝統を受け継ぐ益子焼を制作しながら、益子焼の可能性を広げる新しい表現に挑み続けている。
道祖土和田窯 代表 塚本倫行
益子町益子にある和田窯は、1981年に合田好道・和田安雄と益子の有志数人により、指導所として使われていた建物を移築してあった現在地に「合田陶器研究所」として創立された。
2000年、合田好道が他界し、合田の一番の理解者である和田安雄の下「道祖土和田窯」として新たなスタートをきった。
<トークイベント概要>
BOTE & SUTTO 発売記念トーク
出演:深澤直人氏、大塚朋之氏(益子町長)、濱田友緒氏、大塚一弘氏、塚本倫行氏
日程:2019年1月25日(金)18:30 – 20:00(入場無料、予約不要)
※トーク終了後20時からはレセプションパーティーを予定
会場:イデーショップ 六本木店
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン Galleria 3F TEL:03-5413-3455
“用の美 ”を追求 「BOTE & SUTTO」のボウル
(2019.1,28 追記)
イデーショップ 六本木店で行われた「BOTE & SUTTO 発売記念トーク」へ行ってきました!
「BOTE & SUTTO」のプロデューサーである益子町の大塚町長、ディレクターとして「BOTE & SUTTO」をデザインし、制作ディレクションした深澤さん、そして実際に制作された益子焼窯元の濱田さん、大塚さん、塚本さんによるトークを、イデーのソファに腰かけて、たっぷり伺いました。
今回のプロジェクトで、日本民藝館館長でもある深澤さんが、 益子町でのものづくりのために考えたのは、益子町を考える上で欠かせない益子焼のこと。それも、益子の地で窯を開き、第一回の人間国宝にも認定された陶芸家・ “濱田庄司”以降の益子焼の模索。
濱田庄司とは、民藝運動の父といわれる柳宗悦らとともに民藝運動を提唱した人物ですが、深澤さんが模索した益子焼は、その民藝の考え方に照らして、「土を大切にしている益子で、いろいろ“お化粧”しない」(深澤さん)益子焼。
そうして益子焼らしさを追求した結果、“ボテっとしたもの” と“スッとしたもの” というコンセプトが生まれたという。
深澤さんとともに登壇された三つの窯元のひとつ濱田窯の濱田さんは、この濱田庄司の孫で、大塚さん、塚本氏ともに、益子をけん引する職人さん。深澤さんの高い要求レベルに、この益子の精鋭たちが何度も試作を重ねて応え「BOTE & SUTTO」を創り上げたのだとか。
特に、難しかったのが、黒の「BOTE」。「黒」の釉薬は、柿釉を原料にしたもので、茶色い転びがち。それを、真っ黒にするためには、どろどろの釉薬を時間をかけて何度も重ねて、ようやくできあがる。バケツ一杯の釉薬が、からっぽになるくらい贅沢に使用しているもので、お値段も張るんだそう。
「黒」と並んで益子の七種の釉薬から選ばれたのが、「並白」。清窯の大塚さん曰く「並白は、すっぴんみたいなもの」。基礎釉として使用され、ふつうはこの上にさらに釉薬を重ねて色柄がつけられるもので、並白だけで勝負できるのは美しい肌ができてこそ。益子の職人技の賜物なのですね。
そんな名デザイナーと職人技のコラボレーションによって生まれた「BOTE & SUTTO」ですが、手に取ってみると、技巧で作られたプロダクトというよりも手のぬくもりを感じるあったかい器たちです。なんというか、個性際立つ作家ものと、工業製品の間といった感じ。
町長が、「食器棚の最前列にいるような食器になれるんじゃないかと期待している」とお話しされていたとおり、まさに毎日の食卓の一軍になる、使い勝手の良さそうな器です。(電子レンジ・オーブンの使用可)
「BOTE & SUTTO」 は、2019年4月4日に開業が決まった「MUJI HOTEL GINZA」のバーなどでの器として利用される予定だとか。居心地のよいバーになりそうな予感!
なお、 トークセッション中に、深澤さんが「“ずっと使い続ける”ってことで、“ボテ アンド スット、ずっと”ってのいいですね」なんて閃いておられましたので、そのうち「ZUTTO」シリーズが追加になるかもしれません(笑)
<参考>
【イデー】深澤直人さんと益子の3つの窯元が挑戦する新しい器「BOTE & SUTTO」 発売のお知らせ|株式会社良品計画のプレスリリース
BOTE & SUTTO (六本木) | NEWS | IDÉE
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